任意整理の進め方3

ここまで任意整理とは何か、という話を進めてきました。そして任意整理と借金の利息は密接に関わっていて、さらには借金の利息に関しては利息規制法と出資法で定められているとも書きました。ここでもう一度利息規制法についておさらいすると、借金の金額が10万円までなら年利20%まで、借金が10万円から100万円までの場合は年利18%まで、100万円以上なら年利15%といった具合となっています。
では次にもう一つの出資法について紹介しましょう。出資法の規定を見ていくと、利息の上限が年29.2%と決められています。もし金融会社がこれに違反し、これより高い利率で貸付をすると、その貸し付けをした金融会社には法的な罰則が課せられることになります。従って金融会社は、出資法の上限である年29.2%を超えて貸し付けをすることはできません。
ところで先ほど紹介した利息制限法について思い出していただきたいのですが、利息制限法の場合、もし金融会社がこの利息制限法で定められた数字を超えて貸付を行ったとしても罰則がありません。従ってこの利息制限法の上限を超えた部分から、出資法で定められた上限までの部分が所謂グレーゾーンと呼ばれているところで、実際のところほとんどの消費者金融はこの部分の利息(15%〜29.2%の間)での貸し付けを行っています。もし実際に消費者金融を利用したことのある人ならお分かりでしょう。そうでなくても29.2%という数字はなんとなく見たことがある、馴染みがあると考える人も少なくないでしょう。29.2%という数字にはこうした事情があり、消費者金融にはこのような言わば「カラクリ」があるのです。
ここで任意整理の話に戻ります。任意整理とは司法書士または弁護士が債務者の代理人になって債権者と話し合い、そこでの交渉によって借金を減額し、さらに借金の返済方法等を定めます。代理人と債権者との交渉が妥結して契約を結んだら、債務者はその契約に基づいて今度借金を返済していくことになります。ここでの代理人と債権者との交渉ですが、先にも少し触れたように、例えば今後借金の半分は返済していきますとか、3分の2については返済していきますので、如何でしょうか?等といった話し合いをするわけではありません。代理人は上の利息制限法に基づき、例えば利息制限法で年15%と定められていたら、まずは計算を行いその年利息15%を超えて支払っていた部分を借金の残額から減額します。そして尚且つ今後の利息をカットした形で返済をするという新たな契約を結び、それに基づいて借金を返済していく手続きを任意整理といいます。つまり利息制限法に基づいて利息の金額を再度計算し、それを基に再度契約を結んで借金を返済していくのです。皆さんにわかりやすく理解していただくために具体的な例を挙げると、例えば100万円を利息制限法に基づき年15%で借り入れていた場合の利息は年に15万円になりますが、年29.2%で借り入れていたという場合なら29.2万円になります。こうしてみるとお分かりでしょうが、その差額は決して小さいものではありません。ここで生じた差額の14.2万円を借金の元金から減額し、今後の利息をカットし、以降の3年間程度の時間で返済をする新たな契約を締結します。こうした手続きを任意整理と呼びます。
先にも言いましたが、こうして新たに計算しなおして、そこで生じる差額は決して小さいものではありません。先に挙げた例は1年のケースですが、もし仮に消費者金融から同じ100万円を年29.2%で5年程度借り入れをしていた場合だと、利息制限法を超えて支払っていた分は相当な金額に上ることになります。この場合同じように利息制限法に基づいて新たに計算をすると、元金自体もかなり減ることになり、残金の支払いは月々の金額に換算するとわずかな金額となるでしょう。
更に言えば同じようなパターンで消費者金融から100万円を年29.2%で10年近くにも渉って借り入れをしていた場合、利息制限法の規定を超えて支払っていた金額が本来の残りの元金を上回ってしまうケースもあります。もしこのようなケースがあった場合、元金を超えて消費者金融に対して支払っていた部分を過払金と言います。司法書士または弁護士に代理人として依頼した場合には、結果として過払い金を支払っていた消費者金融に対してその過払い金の返還請求をすることもできるのです。

最終更新日:2017/4/3